移住者の声

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子育てするなら、人が温かい花巻で〜ここが子ども達のふるさと〜


小山秀人さん 小山里美さん

Profile

秀人さん●1989年秋田県湯沢市生まれ。バスケットボール部の特待生として富士大に入学して花巻へ。
里美さん●1989年秋田県協和町生まれ。秀人さん同様バスケットボール部特待生で富士大入学。大学同級生同士で付き合い始め卒業2年後に結婚。

2019年取材(内容は取材当時の情報)

花巻との縁は飲み屋から

秋田県から富士大学に入学が決まったものの、はじめは岩手県、それも花巻にある大学とは知らなかったという。
「富士という名前がついていたので、関東の方の大学かと思ってました(笑)」

しかし花巻という街になじむのに時間はかからなかった。部活の仲間と週に2度、3度通う馴染みの飲み屋ができ、人の繋がりができたことが大きかったそうだ。

「結婚後、一時は店の2階のアパ—卜に住むことを考えたほどでした。そうなっていたら店というよりほぼ自宅ですね(笑)」

花巻の人の温かさ

秀人さんは地元でも就職活動をしていたというが、結局決まったのは北上市のスーパーマーケット。里美さんは卒業して実家に帰っていたというが、2年後秀人さんとの結婚でまた岩手へやって来た。結婚当初は別のまちに居を構えたのだという。

「でもなんか、同じアパート内でも付き合いがないというか、人間関係が希薄で。大学時代の馴染みの飲み屋もあるので、結局花巻にまた引っ越して来たのでした」

引っ越してきて、彼らは花巻人の温かさに触れることになる。

「近所のおじいちゃんおばあちゃん達も声をかけて来てくれるし、野菜とかりんごとかたくさんもらったりして温かいんですよ。夫は職場の仲間がいるけど、私は知人も少なかったから、こどもセンターでも移住して来た人たちと知り合って情報交換ができたり。」(里美さん)

住みやすさは人と人の関係だと2人は強調する。

市街地に住んでまちに溶け込む

2019年3月、花巻市の市街地活性化事業により建築された、子育て世帯向け地域優良賃貸住宅が完成した。場所は目抜き通り裏の仲町。小山さん夫妻は早速入居を申し込み、まち中に住み始めた。

「ここに住んでいるのはみんな子どもを育てている人ばかりなので、いろいろ話したり、付き合いがあって楽しいですよ。地域の人たちも『子どもが増えた』と喜んでくれています」

富士大学入学と同時に花巻へやってきた2人だが、在学中はバスケット部のリーグ戦なとで、実は花巻まつりをほとんど知らないのだそうだ。市街地に住んだことで、今度はそれも楽しみと笑顔を見せた。

「窓の外は昔ながらの花巻のまちですが、そんな花巻がいま若い人たちの力でどんどん変わってきている。その新しい波にも乗りたいですね。都会じゃなく、花巻だからこそのまちの暮らしを楽しみたいです」

育児パパのコミュニティを作りたい

秀人さんは仕事のかたわら、育児に興味あるパパ達のコミュニティづくりに取り組んでいる。

「どうしてもワンオペ育児になりがちだし、移住してきていて知人が少ない人たちもいると思うので、お父さん同士仲良くなれればファミリーで付き合いができるんじゃないかと思ったんです」

こどもセンターを通じ、ポスターやチラシを使ってチームnicoというサークルを作り、家族同士で泊まりに行ったりしているのだという。

「子どもが幼稚園とかに入るとママ同士のつながりもできるのですが、それまでは孤立しがちなのでもっと輪を広げたいと思っています。ここが子ども達のふるさとになるんですね」

子どもはコミュニティの中で育つのが理想。移住してきた花巻で、小山さん夫妻は子ども達のためにも、そんな地域づくりを目指す。


移住・定住ガイドブック「花巻ひと図鑑」より